食品交換表 第7版が届いたのでレビューしていきます
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改訂されて発売された新刊、「糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版」が届きましたので、レビューしていきたいと思います。
改訂のポイントは購入前に前回の記事で紹介したとおりですが、実際のところどのように変更されたのかを少し検証していきますね。
1.食品分類表 1単位あたりの栄養素の平均含有量を一部見直し
栄養素の含有量が第6版と比較して1部見直されています。
以下が変更になった栄養素の含有量の扱いです。
分類 | 炭水化物 | たんぱく質 | 脂質 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
変更前 | 変更後 | 変更前 | 変更後 | 変更前 | 変更後 | |
表1 | 18g | – | 2g | – | 0g | – |
表2 | 20g | 19g | 0g | 1g | 0g | – |
表3 | 0g | 1g | 9g | 8g | 5g | – |
表4 | 6g | 7g | 4g | – | 5g | 4g |
表5 | 0g | – | 0g | – | 9g | – |
表6 | 13g | 14g | 5g | 4g | 1g | – |
調味料 | – | 12g | – | 3g | – | 2g |
全体を見るととても大きな変更とまでは言いませんが、細かい変更がされていますので注意が必要ですね。一番のポイントとしては調味料に関しての表記が加わっている点です。
食文化の多様化や、品種改良等による現代の食品にマッチするよう改善されていますので、詳しくは実際に第7版を入手して確認することをおすすめします。
2.食事に占める炭水化物の割合 60%・55%・50% 配分例
栄養素が偏らないバランスの良い食事を実現するために、指導されたり渡されたりするものに食事指示票というものがあります。食事指示票については→こちら
これは患者さん各々の症状や合併症の進行度によって個別に設定されたものが適用されているものです。この指示エネルギー(指示単位)は糖尿病患者さんが多く症状が多様化しているために、細かな調整が必要になってきています。
第7版ではこうした状況を考慮して、炭水化物の割合を60%・55%・50%という3パターンのモデルケースが掲載されています。
例えば指示単位が18単位でも、炭水化物60%、55%、50%での全体の栄養素の配分が違ってきますので、その3パターンをわかりやすいモデルケースとして掲載してくれています。
実際には15単位、18単位、20単位、23単位のそれぞれについて3パターンの配分例を掲載してくれていますので、病状や合併症を考慮した様々な患者さん向けに対応しやくすくなっているといえますね。
3.「私の食事療法」記入欄の掲載
こちらは食品交換表を利用するうえで、患者さんやご家族の方たちが管理しやすいように管理日記的な表が掲載されています。
表紙をめくると裏表紙にすぐに載っているので、交換表を見ながら実際に記入していくイメージなんだと思います。
ただ記入欄が1ページにつき2箇所、見開き2ページの計4箇所しかないので、実際に交換表上に記入するのではなく、コピーしたりしてから記入していくのがいいかもしれませんね。
4.用語や注意点が、コラムや図を挿入して理解しやすくなった
この点に関しては、食品交換表の冒頭にある実際のコラムや説明で糖尿病自体のことを詳しく図やイラストを掲載してくれています。
パッと見ただけでも、第6版と比べて明らかにわかりやすく改善されたと思います。
理解している度合いが低い方でも、この解説をみれば糖尿病という病気がどんなもので、何に気をつければいいか、また、実際に食事を管理していく細やかな配慮が加わっているように感じました。
まとめ
1~4の改訂ポイントについてはとても良い形で反映されていると思います。さすがですね。
また、最近流行の糖質制限については少し言及してあり、過度な糖質制限は身体にとって危険である、としています。完全否定はされていませんね。
これから糖尿病食事療法を始める方、また、長年続けている方も、実は変わってきている現代の食品の事情を把握する意味でも買い替えることをお勧めしたいですね。
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